Meta Connect 2025: AIによるメタバースの加速、新たなユースケースの拡大、Wearable Device Access Toolkit

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パーソナルスーパーインテリジェンスの実現が目前に迫り、今後のコンピューティングの基盤を形作る可能性が高まっています。現在のVRヘッドセットから未来のARグラスまで、AIこそが次のコンピューティングプラットフォームを明確なものにする鍵となるのです。

9月17日(米国時間)の基調講演では、大規模に普及すべき初のAIネイティブデバイスとして、AIグラスについて多くを語りました。今回は焦点を変え、AIがどのようにVR業界を変えていくかについて深く掘り下げます。

Meta Horizon スタジオ:生成AIツールでレベルアップ

コードを一切書かずにバーチャル世界を構築できる未来を展望しています。これはVRにとって大きなチャンスと言えます。なぜなら、単に人々が探索できる世界がより増えるだけでなく、誰もがクリエイターになれる扉を開くからです。

生成AIツールは、できることの限界を下げることなく、魅力的な3D没入型コンテンツを構築するハードルを下げており、未経験者でも素晴らしいものを作ることができます。そしてベテランのプロフェッショナルであれば、優れた作品を、より速く制作できるのです。

Horizon向けに既に様々な生成AIツール群が揃っています。これを使えば、シンプルなテキストプロンプトだけで、3Dメッシュ、テクスチャ、スカイボックス、環境音、効果音、TypeScriptの生成が可能です。さらに、リギングやアニメーションを施した3Dアバターでさえも生成可能です。さらにMetaのNPC生成システムはそれ以上に進化し、わずか数個のプロンプトからバックストーリー、声、会話スタイル、台詞を生成することができます。

例えば、『Citadel』はすでにHorizonで最も人気のあるワールドの一つですが、スクリプト化されたNPCをAI生成キャラクターに置き換えたところ、プレイ時間が約15%増加しました。

Horizonのクリエイターたちはこれらの新ツールを積極的に活用しています。対象となっているクリエイターの約60%が過去30日間にこれらのツールを利用しており、過去1か月の新規ワールドの約3分の1にはAI生成アセットが使用されています。

さらに、これらの作業を裏側で統合するエージェント型の生成システムも構築中です。これにより、自然言語プロンプトのみを使用して、完全没入型のプレイアブル3Dワールドを数分で作成できるようになります。作成にかかる時間は数か月や数日ではなく、わずか数分です。

これらの新しいツールはアップデートされたHorizon スタジオで利用可能となり、いち早く試してみたい方は、本日9月18日(米国時間)よりベータ版に申し込むことができます。

開発スピードの向上により、開発者にとって、迅速に試行を繰り返したり、多様なテストが可能になります。初期プロトタイプをグレーボックス化するのではなく、鮮やかなアセットやサウンドをすぐに取り込めるとしたらどうでしょうか。Horizonスタジオの生成AIツールにより、それが可能になるのです。

Meta Horizon エンジン:メタバース全体の品質向上を推進

Horizonの品質基準を引き上げるため、コアアーキテクチャを再構築しました。新しく開発したスタンドアローン型のMeta Horizon エンジンは、メタバースを実現するために最適化されています。このエンジンはスクリプト可能なレンダーパイプラインを基盤とし、新たなビジュアルスタイルやエフェクトの可能性を切り拓きます。物理ベースレンダリング素材やライトマップといった業界標準機能を備え、RPGやシミュレーションゲームといった、より複雑なジャンルにも対応可能です。さらにソース管理などの基本開発機能のサポートも可能です。

また、Horizon エンジンにより、VR空間でのホーム環境「Immersive Home」を再構築しました。このホームでは、場所を固定したアプリウィンドウをカスタマイズして配置可能です。例えば、コーヒーテーブルにウェブブラウザを固定したり、壁に巨大なInstagramポータルを配置し、フィード上の3D版の写真や動画をスクロールして楽しむこともできます。

ホーム環境を変更すると、光と色彩の美しい変化が見られます。単なるスカイボックスの差し替えではなく、周囲全体が息づく環境へと変化します。またホームはソーシャル性を重視しており、最大7人の友人を招待し、一緒に映画鑑賞をしたり、ゲームを遊んだりすることが近いうちに可能になります。

さらに大人数で集まりたい方のために、Horizon エンジンはワールド内の同時接続数を、1つのスペースで100人以上をサポートし、大規模マルチプレイヤー体験の可能性を広げます。新しいHorizon Centralのようなパブリックスペースはより活気に満ちた空間に感じられるでしょう。また、ロード時間と移動時間の改善により、新しいアリーナへ瞬時に移動してコンサートやライブイベントを鑑賞できます。

配信と発見の改善で開発者の成功を促進

Horizon スタジオが創作のハードルを下げ、Horizon エンジンが可能性の限界を引き上げることで、開発者を含むあらゆる人々に新たなチャンスが生まれます。彼らは、VRとモバイルの両方で見た目も操作性も優れたゲームを構築できるようになり、Metaのソーシャルアプリを活用して広範なオーディエンスにリーチできるようになります。

さらに、ヘッドセット内外を問わず、優れたコンテンツにアクセスするのがより簡単になりました。VR版Horizonフィードのデザインを刷新し、パーソナライズされたおすすめのアプリや新しいアプリの発見を促すプロモーションを拡充しました。モバイルのフィードも構造を簡素化し、発見しやすいような仕組みを整えました。ライブ動画プレビューやトレーラーなど、さらに多くの機能も提供しています。

Horizonモバイルアプリとヘッドセット内の検索画面も全面的に刷新し、発見性を向上させました。検索ワードを入力する前に、利用者に関連するトレンド検索、カテゴリー、関連コンテンツ一覧が表示されるようになっており、さらにHorizonストアではアプリを紹介する場所が拡大します。

新たに導入したターゲット型リターゲティングツールにより、アプリ内またはストア通知を活用し、特定の利用者層にダイレクトメッセージ・割引・プロモーションコードを直接届けられるようになりました。これによりオファーの効率とコンバージョン率が大幅に向上しています。例えば、過去14日間にアプリ内アイテムを購入していない高額利用者層に50%割引を提供する、といった活用が可能です。さらに、コミュニティとのつながりを強化し、より多くの人々に作品を発見してもらうための組織プロファイルを新設しました。

開発者の収益拡大に役立つもう一つの優れたツールが、Meta Horizon+ というVRのサブスクリプションサービスです。過去1年間で67のアプリが本プログラムに参加し、累計2,000万ドルの収益を上げました。たとえば『Synth Riders』は、1年前にMeta Horizon+のゲームカタログに追加されて以来、収益が60%増加しています。

Gorilla Tag』 のようなソーシャルマルチプレイヤーゲームは、プラットフォーム上で引き続き高いパフォーマンスを発揮しています。月間アクティブプレイヤーが100万人を超える基本プレイ無料ゲーム 『Animal Company』 は、6ヶ月で有料利用者を9倍に拡大し、今年の夏時点で初年度総収益ランキング5位を記録しました。また、2023年にアーリーアクセス版でリリースされ、2024年に正式版となったマルチプレイヤーゲーム 『Ghosts of Tabor』 は、今年5月時点でMeta QuestとSteamを合わせて100万人以上のプレイヤーを獲得し、既に3000万ドル以上の収益を上げています。

開発スタジオの規模に関わらず、収益を得るチャンスはあります。現在Meta Horizon ストアでは300以上のアプリが100万ドル以上の収益を生み出しており、そのうち10のアプリはそれぞれ5000万ドル以上の収益を上げています。

Unity & Android アップデート

独自のAIツールを利用しているのであれば、新登場のHorizon OS MCPサーバーがワークフローを加速します。LLM(大規模言語モデル)と連携すれば、Horizon OS向けの開発に必要な関連コンテキストをすべて取得可能です。Horizon OSに関する質問をLLMに投げかけると、Metaのナレッジベースから正確な回答が得られます。新プラットフォーム機能の説明からアプリを公開するガイダンスまで、あらゆる情報を網羅しています。UnityやMeta Spatial SDK向けの高品質なコード生成も可能です。これは、時間短縮のための定型コードや、不慣れなプログラミング言語での新規コードスニペット生成などが該当します。例えばVRネイティブコンポーネントの構築方法が分からない場合、LLMがMetaのナレッジベースに接続し、必要な手順をすべてガイドします。

LLMは、パフォーマンスの最適化など、VR開発における困難な課題の解決もサポートします。トレースデータを取得し、LLMにパフォーマンスの問題の分析を依頼したり、修正案の提案を受けたり、変更後の結果を比較して効果を確認したりできます。

さらに、Unity向け新Meta Building Blocksにより、LLMやコンピュータビジョンモデルもMetaのパススルーカメラ APIと連携可能になります。これにより、プレイヤーの物理的環境をより詳細に把握し、理解するような体験を構築することができます。

ユースケースの拡大によるVR利用者基盤の成長

もちろん、VRは娯楽ばかりではありません。スマートフォンやノートパソコン、デスクトップパソコンがウェブブラウザやメール、2Dエンターテインメントなどを当たり前に搭載しているように、VRも現在のコンピューティングの最高水準を提供し、さらに進化させていく必要があります。

そこで登場するのが2Dパネルアプリ、つまりウィンドウアプリです。

このカテゴリーでの利用時間は、過去1年で60%以上増加しています。そしてVRは、従来のコンピューティングをそのまま再現する以上の可能性を秘めています。従来のブラウザを例に挙げると、どこにでも持ち運べる巨大なディスプレイを利用するほうが、より優れた体験になるかと思います。実際、ブラウザの利用時間は過去1年で28%増加し、Metaのプラットフォーム上で最も人気のあるアプリの一つとなっています。

さらにDiscordも2026年にMeta Quest向けのウィンドウアプリをリリースする予定で、この動きに加わります。ヘッドセット装着中でも、VR体験中にコミュニティとつながり続け、友人がプレイしているゲームを見て新しいタイトルを知ることができます。『Beat Saber』 で友人に挑戦することすら可能になるでしょう。Discordには、多くのプレイヤーがいるため、これはVR開発者にとって絶好の機会となります。Discordには月間2億人以上のアクティブプレイヤーが参加する熱心なコミュニティが存在し、PCだけで月間19億時間ものプレイ時間を数千タイトルに費やしています。Meta Quest向けDiscordタイトルのリリースにより、VR開発者は素晴らしい発見ツールを自由に活用できるようになるのです。

ヘッドセット内でウィンドウアプリを利用する人が急増しており、開発者にとって特別な体験を構築する新たなチャンスが生まれています。新たに開発された「Meta Horizon Android Studio Plugin」により、AndroidアプリをVRに移植することがはるかに容易になりました。さらに「Meta Spatial SDK」ではアプリを空間化でき、近日中に登場する予定の「Spatial Simulator」では、VR環境でのアプリの動作検証が可能になります。

ジェームズ・キャメロン監督とLightstorm VisionがVRネイティブの新世代映画コンテンツ制作に注力しているように、ゲームではないエンターテインメントコンテンツも将来の普及拡大につながる巨大なチャンスと捉えています。

ネイティブメディアアプリは、愛されているコンテンツをより魅力的な形式で届けられます。例えば、Blumhouseの新アプリは3D特殊効果を導入し、没入型ホラー体験を向上します。Disney+もMeta Questに登場し、HuluやESPNのコンテンツも追加される予定です。

※Blumhouse、Disney+、Hulu、ESPNはいずれも日本未対応

モバイルへの投資とエコシステムの継続的な成長

没入型オプションだけでなく、ウィンドウ表示でのコンテンツも利用可能にすることで、ヘッドセット内のエコシステムを拡大し、モバイルやウェブでも高品質なHorizonコンテンツを届けることに注力しています。使用するデバイスに関わらず、より多くの人々がワールドに集うほど、体験は向上します。

過去1年間、モバイル版Meta Horizonを最高水準の体験とするべく尽力し、クリエイターがFacebookやInstagramで自身のワールドをより簡単に紹介できるようにしてきました。ワールドは他の投稿と同様にフィードに表示され、利用者はワンタップで直接参加できます。

これらの変更により、モバイル版Horizonの利用者は過去最高を記録しています。モバイル版ワールドの月間アクティブ利用者数は前年比4倍に増加し、クリエイターによる新規モバイルワールドの公開数は5,000件を超えました。

VRとモバイルの両プラットフォームで利用が拡大する中、Horizonクリエイターが自身のワールドを本格的なビジネスへと発展させる大きなチャンスが訪れています。2月に開始した5000万ドルのクリエイター基金では、これまでに数百万ドルの賞金を授与しており、9月18日(米国時間)にさらに250万ドルのコンテストを発表しました。今年のワールド内購入額は280%増加しており、新たなAIツールにより収益化の助けとなる独自アイテムの作成がさらに容易になっています。

本日の開発者向け基調講演で『GOLF+』 CEOのRyan Engle氏が共有したアドバイス、「ニッチ市場を見極める。長期的な視野を持つ。そしてオーディエンスを理解する。」という3点が、経験豊富な開発者にとっても、新規クリエイター、その中間層にとっても重要です。

最後に…

VRは今後もAIが実現する最も高度で魔法のような体験の場であり続ける一方、AIグラスが全く異なる新しい形でパーソナルスーパーインテリジェンスを私たちの生活にもたらすことも明らかです。現在のAIグラスでは、AIアシスタントが利用者の視点から世界を見聞きし、コンテキストを理解していくことで、その能力が飛躍的に向上することが既に実証されています。そして間もなく発売される「Meta Ray-Ban Display」と「Meta Neural Band」の登場により、この領域はさらに興味深い展開を迎えようとしています。

開発者コミュニティがこの新たな可能性を最大限に活用できるよう、新たな「Wearable Device Access Toolkit」を開発者プレビュー版として提供します。これにより、アプリがAIグラスの視覚・音声機能にアクセス可能となり、他の方法では実現不可能なレベルのコンテキストの認識とリアルタイムな情報取得が可能となります。

初期の成果は前途を期待できるものであり、ディズニーのイマジニアリングR&Dチームは、AIグラスがパーク内でゲストに役立つ情報を提供する方法を検証する初期プロトタイプを開発中です。Twitchなどの主要ストリーミングサービスでは、クリエイターがAIグラスから直接ライブ配信できるようになる予定です。LogitechのStreamlabsのような配信ソフトパートナーを介せば、複数プラットフォームへの同時配信も実現します。さらにHumanWareは、視覚障がい者や弱視者に世界を案内できるリアルタイムガイダンスを受けられる統合機能を開発中です。

現在のVRヘッドセットと今後登場していくARグラス、両方においてこれほど画期的なパラダイムシフトを実際に体験できるのは本当に驚くべきことです。そしてMetaはそれをただ見ているのではなく、皆さんと共にこの未来を創り上げていきます。これからの1年で何が起きるのか、今からとても楽しみです。