VRの5年史: Oculus RiftからQuest 2までの節目を振り返る
2016年3月、Oculus Rift発売。現代における初代コンシューマー向けVRヘッドセットの登場は、大きな出来事でした。しかし、それはほんの始まりにすぎませんでした。Rift、Go、Quest、Rift S、そしてQuest 2――私たちはこの5年の間に5つの機種を発表し、新機種のリリースのたびにテクノロジーを進歩させ、利用者にとってのVRエクスペリエンスと開発者にとっての可能性を大きく前進させてきました。
Riftに同梱されていたゲームパッドに代わる独自のOculus Touchコントローラーを開発し、バーチャル空間で手を伸ばして物をつかめるようにしたほか、外部のセンサーをなくしてインサイドアウトトラッキングを実現し、セットアップのわずらわしさを軽減しました。さらに、QuestとQuest 2ではケーブルをなくし、場所を選ばずにどこでもVRを楽しめるようにしました。といっても有線接続を廃止したわけではなく、PCに接続すれば、『Lone Echo』や『Asgard’s Wrath』など、過去5年のVRゲームの傑作をプレイすることは引き続き可能です。
それから、本当にたくさんの人を虜にした『Beat Saber』も忘れてはいけません。
素晴らしい5年間でしたが、これはほんの序章にすぎません。「我々はまだ、これから50年続く歴史のスタート地点に立ったばかりだ」とは、チーフサイエンティストのMichael Abrashの口癖です。ですが、ここではちょっと立ち止まって、今日に至るまでFacebookの内外でVRの発展を支えてきた多くの人たちの功績を称えたいと思います。
この記事を最後まで読んでもっと詳しく知りたいと思った方は、関係者の証言を軸にコンシューマーVRヘッドセットの5年史を綴ったこちらのロングバージョンをご覧ください。『Beat Saber』の開発が中止になりかけたことや、『Lone Echo』のTouch対応にまつわる開発秘話などについて詳しく書いています。それでは前置きはこのくらいにして……
Oculus Rift - 2016年3月
言わずもがなですが、Oculusの歴史の原点はRiftではありません。それよりも前の、DK1の開発費を募ったKickstarterでのクラウドファンディングキャンペーンがすべての始まりでした。DK1は頭の向きを追従するだけの代物で、コントローラートラッキングはおろか、位置トラッキングすら付いていませんでした。それでも当時としては画期的で、Oculusは2014年に、VRを次のコンピューティングプラットフォームにするというビジョンを掲げるFacebookによって買収されることになります。
Riftは買収後の最初の機種で、価格は599ドル。布地で覆われたヘッドセットにフリップアップ式のヘッドホンが搭載され、外部センサー、リモコン、Xboxコントローラーが付属していました。対応ゲームとしては、『Edge of Nowhere』、『EVE Valkyrie』、『Chronos』、『Keep Talking and Nobody Explodes』などがリリースされました。
Peter Bristol - FRL、インダストリアルデザイン責任者: VRには成功を約束された雰囲気がありました。インターネットなどのように大きなものになる運命が感じられたんです。こんなに重要なテクノロジーは他のどこを見渡してもないぞ、と思いましたね。
Caitlin Kalinowski - VRハードウェア責任者: Peter [Bristol]のチームの功績ですよ。見苦しくてたまらないデザインのCrescent Bayというプロトタイプを、美しくてエレガントなコンシューマー製品に仕上げたんですから。布地で覆って、オーディオをストラップに一体化する方法を考えて……コンシューマー向けVRのスタンダードを確立したと言えますね。それ以降に出たVRはほとんどすべて、Rift CV1の派生形のようなものです。Riftは、VRがコンシューマー製品になり得ることを証明してみせたわけです。
Oculus Touchの登場 - 2016年12月
Riftから9か月後にはTouchコントローラーが登場しました。Carbon Designが細部と人間工学にとことんこだわり抜いたTouchコントローラーにより、実質的に、バーチャル世界に自分の手を持ち込むことが可能になりました。その手の存在はVRのターニングポイントとなり、『Robo Recall』、『SUPERHOT VR』、『Arizona Sunshine』、『The Unspoken』、『The Gallery』などによってこの新しいコントロール方式の可能性が開拓され、『Lone Echo』、『Beat Saber』、『Asgard’s Wrath』といった無数の作品の道が開けました。翌夏以降、TouchはRiftの同梱品になりました。
Jason Rubin - プレイ担当バイスプレジデント: Touchは入力デバイス以上の存在です。開発者向けにTouchを提供し始めてから、彼らのVRに対する考え方が変わりました。
Peter Bristol - FRL、インダストリアルデザイン責任者: 試作品は3桁は作ったんじゃないですかね。ごく普通の棒と粘土をくっつけたものや、くしゃくしゃにした紙、サンドペーパーをかけた発泡スチロールなど、とにかくいろいろ作って、手にしっくりくるデザインを探りました。手の延長のようなコントローラーを作るというのが開発の基本方針で、仮想空間の手と現実世界の手が一致するように、コントローラーを持ったときの手が自然と脱力するようにしたり、直感的に操作できるようにトリガーなどの操作性を現実世界の手の動きに似せたりしました。
Shaun McCabe氏 - Insomniac Games、テクノロジー責任者: Touchに関して特に印象に残っているのは、私の母のエピソードです。『The Unspoken』の開発中に母をオフィスに呼び、試しに遊んでもらったんです。母は当時70歳で、コントローラーなるものを使ったことは一度もなかったんですが、このボタンを押すと火の玉を投げられるから合図したら投げてねと伝えて、「はい、投げて」と言ったら、なんと1投目で標的に命中させたんですよ!
母はソフトボールの腕前はかなりのものですから特別驚くことではないんですが、Touchによって世代を問わずにVRを楽しめるようになることが、それによって本当に明確になりましたね。
Oculus Go - 2018年5月
Oculus GoはRiftの次にリリースされた機種です。PC接続を前提としたRiftよりも、Gear VR (OculusとSamsungが共同開発したスマートフォン用デバイス)に近い製品でした。Goはメディア観賞が中心だったGear VRをOculus初のオールインワンデバイスとして再構想したもので、レンズの質が向上し、バッテリーの持ちも長くなりました。すっきりとしたフォルムの新しいストラップ一体型オーディオと、解像度がアップした画面を搭載し、価格はメインストリームの消費者に優しい199ドルでした。
Nicole Brendis - 製品マーケティング: Oculus Goの開発を中心となって推進していたのはJohn Carmackです。Goの開発とVRの複雑さを取り払うことに対しては、尋常ではない熱の入れようでしたね。コンテンツの発見についても熱心に取り組んでいました。ナショナルジオグラフィックは多くの提携を結んでいたので、Oculus Goをきっかけに提携を探ることになりました。CarmackはそのコンテンツをGoで提供し、利用者の目に留まるようにすることに力を注いでいましたね。ナショナルジオグラフィックがあれば、これまでとは違う利用者や開発者を惹きつけられるだろう、と。現在Horizonなどの非ゲームコンテンツの開発に取り組んでいるのは、このことがあったからこそです。
Matt Dickman - ヘルス・セーフティ担当TPM: Goは、アクセシビリティ全般やVRにおけるアクセシビリティの意味について、目的を持って考えた最初の機種です。例えばヘッドセット内側の顔に当たる部分、ここはもともと布地の接顔部を付けるための場所ですが、このマウントのしくみを使えば度付きレンズをはめ込むことができそうですよね。着け心地や人間工学の観点からの検討には時間がかかりましたが(そして社内のデザイン部門のサポートも必要でしたが)、それが現在のQuest 2のアクセサリへとつながっているのです。
Chris Pruett - コンテンツエコシステム責任者: Goでは多くの教訓を得ました。Goがなければ、Questは生まれなかったでしょう。
Oculus QuestとRift S - 2019年5月
2019年5月には、2つのヘッドセットを同じ日に発売しました。Rift SとQuest、次の世代を担う2機種です。どちらも最先端のインサイドアウトトラッキング機能(Oculusインサイト)と、より解像度の高いパネルを備え、価格も同じ399ドル。ただしタイプは対照的で、Rift Sは前世代のPC接続型をさらに進化させたヘッドセット、Questは、ワイヤレスながらそれ単体でPC接続型に匹敵するレベルの体験を味わえる画期的なオールインワンデバイスという位置づけでした。このQuestの登場で、より多くの人にとってVRのハードルが下がり、開発者も新たな利用者層に広くコンテンツを届けられるようになりました。
2019年末には、QuestとPCを接続するOculus Linkが発売され、スタンドアローン型とPC接続型の両方の傑作を楽しむことが可能になりました。また同じ年にはジェスチャーコントロール機能が追加され、より自然で直感的なVRの未来が垣間見えました。
Nick Everist – Rift SおよびVR入力デバイス担当製品マネージャ: Rift Sは功労者です。いわば陰の立役者ですね。VRに、そしてPCのエコシステムに多くの新規ユーザーを引き込みました。トラッキングの質が高く、セットアップも簡単で、Haloストラップのおかげで装着感も抜群にいい。それに、想像していたVRの限界を大きく上回る性能を持っていることは間違いないです。非常によくできた製品です。
Atman Binstock – Oculus VRチーフアーキテクト: ゆくゆくはスタンドアローン型ヘッドセットが主流になるだろうとは、以前から思っていました。問題はいつそうなるかだけで。RiftやTouchの体験はスタンドアローン型で実現しなければならないというのが、私個人の考えでした。PCと同じパフォーマンスは発揮できなくとも、自分の存在を感じられて、アクションを起こすとその反応が返ってきて、ソーシャルな空間を体験できる、そういう製品ですね。私たちはテレビやパソコンと、人びとの時間を取り合っています。製品を使いやすくし、VRのハードルを低くすることが、非常に重要なのです。
Thomas Van Bouwel氏 – Cubism、開発者: Questがなければ、『Cubism』のようなニッチ寄りのゲームをビジネスとして持続させることはできそうにありません。幸い、Questは利用者が多く、かつ層も多様なので、フルタイムでゲームの開発に専念できる余裕があります。ハードルが低く、価格が手頃なコンシューマー向けVRを実現するという約束を、Questがこの数年で果たしてくれたことは大きいです。
Brendan Walker氏 – Polyarc、プリンシパルエンジニア: 私がVRに関わり始めたころは、自分の作品や他の素晴らしいVRのデモをぜひとも見てもらいたくて、ことあるごとに大きなデモ用のPCを引きずって歩いていました。Questの登場で、ようやくヘッドセットだけで済むようになり、他の機器を接続せずにVRを体験してもらえるようになりました。一度など、バチェラーパーティに自分のQuestを持参したときには、『Beat Saber』のデモを1回見せただけで3人もVRユーザーにすることができました。
Oculusインサイト
Oskar Linde – 機械知覚アーキテクト: あの人から電話があったんですよ、マーク・ザッカーバーグから。そのときはたしか2日前にOculusを買収したばかりで、彼からはOculusの製品ビジョンを語られました。非常に興味深かったですね。というのも、そのビジョンというのがほとんどOculus Questそのもののように聞こえたんです。
おそらくOculusの人間からそんなことはまず不可能だと否定されたんでしょう。実現には彼が言うところのインサイドアウトトラッキングが必要で、そのテクノロジーは実用化からはほど遠いから、と。特にモバイルデバイスの計算能力が限られていたのが大きかったですね。それでも、彼はOculusからの指摘は真に受けなかったようで、ならばと、自分で調べて私が所属していた会社を見つけ出して電話をかけてきたんです。それでスタンドアローン型VRヘッドセットのビジョンを売り込まれました。
Ryan Brown – DK2、RiftおよびQuest担当エンジニア: インサイドアウトトラッキング機能をモバイルデバイスに載せられるのは、現実的にはまだまだ先だろうと多くの人が考えていたと思うんです。その点ではFacebookの功績が大きいですね。インサイドアウトトラッキングの実現には、未来をしっかりと見通しながらリスクのある長期投資をする必要があったわけですから。
Anna Kozminski – インサイト担当ソフトウェアプログラムマネージャ: コントローラートラッキングは、クリスマスツリー用の電球で実現することを求められました。Touchコントローラーのリング部分には赤外線LEDが入っていて、センサーはそれをトラッキングしています。コンピューターの目には、このLEDの集合がさながらクリスマスツリーに見えています。
店舗に買い出しに行き、ありとあらゆるクリスマスツリー用の電球を買い込みました。どんな状況でもうまく機能するものに仕上げようと、クリスマスを過ぎてもずっと、エンジニアのデスクの横にはクリスマスツリーがあり、デスクの上は電球だらけでしたね。
Oculus Link
Nick Everist – Rift SおよびVR入力デバイス担当製品マネージャ: QuestとLinkだけで、PC VRで目指した品質に到達できるとは必ずしも思っていたわけではないんですよ、少なくとも短期的には。まだ一般の間ではUSB-Cが普及していたとは言いがたく、何が可能なのかもいまひとつわかっていませんでした。
Linkがこれほど早く物になったことには、多くの人が驚いたのではないでしょうか。
Amanda Watson – GearVR、QuestおよびLink担当ソフトウェアエンジニア: Oculus Linkで一番よかったのは、OculusでPC接続型とスタンドアローン型のVRを担当していた人間同士が初めて協力して1つのものを作り上げたことですね。実現する方法を見つけられたのは、爽快も爽快でした。CV1に携わったベテランのOculus社員が何人もいて、そのチームから出てきたアイデアがまた本当に素晴らしくて、彼らはそれを形にしようと頑張っていました。
開発でバグに突き当たるたびに「ああ、これで終わりか。これが超えられない遅延の壁なのか」と思っていましたが、結局はただのバグにすぎないということが、何度もありました。
ジェスチャーコントロール
Michael Abrash – Facebook Reality Labs、チーフサイエンティスト: 操作方法という点では、他の何よりも画期的だったのはジェスチャーコントロールではないでしょうか。コントローラーは便利ですが、現実でそういうものを持ち歩くことはないですよね。ジェスチャーコントロールによってVRでの操作方法の幅が広がりました。操作がもっと自然に、もっとスムーズになりましたね。ヘッドセットをかぶるだけで、すぐにVRを楽しめるようになったんです。
Jenny Spurlock – 入力デバイス研究担当エンジニアリングディレクター: ジェスチャーコントロールとそれがユーザーにもたらすメリットを研究していたのは、初めは私たちのチームだけでした。実験的なプロトタイプは早くからいくつも作っていましたが、それは単に、VRに手を持ち込んだらどうなるか、手で何ができるかを検討するためでした。それからようやく、「手による操作を使えるものにするにはどうしたらいいか」を考えるようになったんです。
Rob Wang – ハンド担当リサーチリード: 私のチームは、研究サイドとしてジェスチャーコントロールに携わりました。ですが、その機能をQuestに載せるのは研究とはまったくの別物で、製品サイドの懸命な努力が必要でした。
まず1つのチームがオンチップの超高速ニューラルネットワークアクセラレータを手で設計し、それが突破口を開きました。そして別のチームが、その大規模で複雑なニューラルネットワークの改良を一手に引き受けて、大幅な小型化と効率化を達成しました。この2チームの協力がなければ、商品化はできなかったと思います。
Oculus Quest 2 - 2020年10月
Quest 2は、前のモデルから1年半後にリリースされました。Quest 2での目標は、プレイヤーと開発者の双方が喜ぶ、パワーとカスタマイズ性を高めたデバイスを作ること――そしてそれを100ドル安く実現することでした。このただでさえ困難な目標は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行によってさらに難しくなりましたが、なんとか2020年10月に発売にこぎつけました。Quest 2はすでに立派な成果を上げており、開発者にも素晴らしい成功をもたらしています。
Rangaprabhu Parthasarathy – QuestおよびQuest 2担当製品マネージャ: Quest 2の開発の冒頭では、初代QuestとCV1で達成したことをすべて振り返り、マスマーケットに届けるには何をすべきかを自問しました。手頃な価格と使いやすさは必須だろう、セットアップ手順とアクセシビリティも考えよう、もっといろいろな場所で使えるようにして、ハードルを下げよう、と。あらゆるタイプのゲームが必要だろう、1つのジャンルに偏っていてはだめだ、と。
毎日使いたいと思ってもらえるものを用意しようと、そういうビジョンを描きました。
Vicki Dobbs Beck氏 – ILMxLAB担当役員: Quest 2は、使いやすさと動きの自由さの点だけでも最高のヘッドセットです。映像と音の解像度が比較的高いことは言うまでもありません。解像度の高さはILMxLABにとって非常に大切なことですから。
Denny Unger氏 – Cloudhead Games、CEO兼クリエイティブディレクター: Quest 2は、最新のVRヘッドセットならこうあってほしいという要素を、多くの点で見事に満たしています。ケーブルなし、外部センサーなし、完全な6DOF、コントローラーと手のトラッキング、90Hzの高解像度のパネル、充実のコンテンツ、そして驚きの低価格。バックパックで持ち運べてどこでも使える、まさにSFのようなVRデバイスです。もっと本格的なコンテンツを楽しみたい場合は強力なPCにつなぐこともできますしね。
Ruth Bram – Oculus Studios、エグゼクティブプロデューサー: 最近、多くの開発会社がOculusプラットフォームで100万ドル以上の収益を達成したことを発表しましたが、この成功は一夜で成し遂げたものではありません。今でこそ強固なエコシステムになりましたが、エコシステムの立ち上げのためにこれまでに何社もの開発会社に出資し、小規模から中規模への成長支援や、素晴らしいIPを持つ中規模のスタジオとの提携をしてきました。さらには自前の開発チームも作ってベストプラクティスの発見と公開に取り組みました。これらのベストプラクティスは今でも通用するものです。とはいえ、5年前にはここまでになるとはまったく予想していませんでした。
Ruan Rothmann氏 – GORN、リードデザイナー: Questでの『GORN』のリリースから1か月も経っていませんが、すでにこのプラットフォームでの売上が一番大きくなりそうな感触があります。
シンプルな使用感のこのヘッドセットによってVRのことがますます好きになりましたし、ごく自然な流れとして、これからはもっとVRコンテンツを作っていこうかと社内で話しているところです。
Mike Verdu – コンテンツ担当バイスプレジデント: コンソールやPCでゲームが盛り上がり始めたころのことを思い出しますね。その後の黄金時代には革新的な新作ゲームが次から次へと発売され、「まさか。1つのプラットフォームだけでなく時代単位でこんなに活況が生まれるとは思わなかった」と感じたのを覚えています。今のVRは、それと同じような黄金時代に入っています。
これからの5年
では、次に来るものは?記念すべき第1回目のOculus ConnectからOculusの未来を語ってきたMichael Abrashに、話を聞きました。Oculusの今後に関する彼の回答の全文はこちらのオーラルヒストリーで読めますが、簡単にまとめると次のようになります。「さまざまなものを検討しています。アイトラッキング。いわゆる「スクリーンドア効果」を完全になくすための高解像度パネルと改良された光学系。屋外シーンのリアリティを高めるためのHDR。1つのスペースを他の利用者と共有して実際に一緒にいるかのような感覚を楽しめる機能。これについては、少なくとも現在の交流機能よりも豊かで、インパクトのあるものにしたいですね。これらはすべて今後に向けて研究中のもので、Facebookだけでなく世界各地の開発スタジオを含めて、大勢の人間が実現を目指して懸命に取り組んでいるところです」。
この5年と少しの間にVRの実現を支えてくださったすべての方々に深く感謝します。ヘッドセットを購入していただいた方、それからヘッドセットを友達や家族とシェアしていただいた方も、ありがとうございました。これからの5年、そしてその先に向けてのAbrashの言葉をご紹介します。
Michael Abrash – Facebook Reality Labs、チーフサイエンティスト: これはほんの序章にすぎません。VRにはまだこれだけのイノベーション、これだけの発明がやってくるのです。
初期のVRは、すでにある技術を流用したものでした。初めは、カメラは携帯電話のカメラで、光学系も基本的には既製品でした。しかしこれからは、私たちの手で開発していきます。楽しみですし、素晴らしいことです。ただ、イノベーションの面では相当な試練になります。
皆さんに知っておいて頂きたいのは、ここに至るまで長い道のりを歩み、大きなことを成し遂げたということ。しかし、この道はこれからずっと一生涯にわたって続いていくものなんです。

先に書いたとおり、この5年史にはこの他にも秘話があります。もっと深く知りたい方のために、ロングバージョンのオーラルヒストリーをこちらにまとめました。Questを救ったのは『Beat Saber』だった?試作段階のTouchコントローラーにはタッチパッドがあった?などなど、コンシューマー向けVRの最初の5年間の出来事が詳細に網羅されているので、ご興味のある方はぜひご覧ください。


